- 妊活中~妊娠中にビタミンDを摂取する意味は?
- ビタミンDが不足すると胎児にどんな影響を与える?
- ビタミンDと一緒に葉酸サプリを飲んでも大丈夫?
妊活を成功させるために様々なサプリメントを試す方も多いと思いますが、この記事ではビタミンDが妊活や胎児に与える影響について詳しく紹介していきます。
ビタミンDはカルシウムやリンの吸収をサポートする役割を持った栄養素です。妊活中から適量を摂取することで早期流産・妊娠糖尿病・胎児の骨密度低下といったリスクが抑えられます。
ビタミンDは日光に当たることによって皮膚で生成される少し特殊な栄養素です。もちろん普段の食事からも摂取できますが、自然な形でビタミンDを補うためには日光に適度な時間当たることも必要となってきます。
母体である女性のビタミンD不足は胎児の健康に悪影響を与えてしまいますので、妊活中から意識的にビタミンDを補うようにしましょう。
また、当記事ではビタミンDの過剰摂取リスク・目安となる摂取量・他のサプリメント(主に葉酸)との飲み合わせなどもまとめました。いま妊活をおこなっている女性は、ぜひこちらの内容を参考にしてみてください。
ビタミンDが妊活と胎児に与える影響
ビタミンDはすべての方にとって必要不可欠な栄養素となりますが、特に妊活中・妊娠中にどういった影響を与えるのかを解説していきます。
ビタミンD不足は体調不良や特定の病気を引き起こす一因となりますが、とにかくたくさん摂れば良いということでもありません。適切な摂取量を理解することが母子の健康に繋がりますので、この際に正しい知識を身につけておきましょう。
ビタミンDが妊活に与える効果
ビタミンDは妊活において非常に大切な栄養素です。その主な効果としては以下の点が挙げられます。
ビタミンDが不足している女性は妊娠率や着床率が下がり、さらに妊娠後の流産率も上がるとされています。また、妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群といった病気に繋がるリスクもあるため、妊活中からビタミンDを含む食事を意識的に摂ることが重要です。
参考:日本産婦人科医会|不妊治療前に気をつけておくこと
ビタミンDにはカルシウムやリンの吸収をサポートする役割のほか、免疫機能を正常化するといった効果もあります。
卵巣や子宮で過剰な免疫反応が現れると受精や着床がしづらくなり、結果として妊娠する確率が下がってしまうため、妊活中は特にビタミンDの力が必要になってくるということです。
以下の動画では、こうしたビタミンDの働きを分かりやすく解説していますので、ぜひご覧になってみてください。
- ビタミンDの効果としては免疫力の調整や向上が挙げられる
- 卵子の質を高めるためにもビタミンDは効果的
- 妊活中はサプリメントでビタミンDを補給することも大切
ビタミンDは卵子の質を高めるのに役立つ栄養素です。日光に当たる時間が少なくなる冬場は、食事だけでなくサプリメントでビタミンDを補うといった考え方も必要となってきます。
なお、ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種なので、サプリメントを利用する際は身体に吸収しやすいミセル加工されたものを選ぶことも大事です。
妊活中のビタミンD摂取量
妊活中の方が1日あたりに摂取すべきビタミンDの推奨目安量は以下の通りです。
ビタミンDの摂取量(1日あたりの推奨量)は「8.5µg」です。食品やサプリメントによっては「IU」という単位で含有量が表記されているものもありますが、この場合は「340IU」が目安の摂取量となります。
参考:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020 年版)
なお、ビタミンDの耐容上限量は1日あたり「100µg」です。この数値を「IU」に変換した場合は「4000IU」となりますので、サプリメントのビタミンD含有量をチェックする際にはひとつの目安としてみてください。
- サンマ(100g):14.9µg
- イワシ丸干し(30g):15µg
- 鮭(80g):25.6µg
- 干しシイタケ(6g):0.8µg
- 干しキクラゲ(2g):1.7µg
ビタミンDは魚やキノコ類に多く含まれています。普段の食事だけで耐容上限量をオーバーする可能性は低いものの、サプリメントを併用する場合には摂取量に注意しましょう。
妊娠後にビタミンDが胎児に与える影響
妊娠後の母体がビタミンD不足であった場合の胎児に与える影響は以下の通りです。
- 骨密度の低下と成長遅延
- 生まれてくるときの体重減少
- くる病の発症リスク増加
子どものときにカルシウム・リンが骨基質に十分に沈着せず、骨塩(セメント部分)が不十分な弱い骨ができてしまう状態です。尚、身長の伸びが止まった大人では同じ病気を骨軟化症と呼びます。
引用:一般社団法人 日本内分泌学会|くる病
母体から胎児へ与えられるビタミンDの量が不足していると、骨が十分に形成されず発育に悪影響をもたらします。
また、骨の病気のひとつである「くる病」を発症するリスクが上がるというのも大きな問題です。
「骨が柔らかい」「骨が曲がりやすい」「骨が伸びにくい」というのがくる病の主な症状であり、こうしたことが原因で平均身長より大幅に下回る・転びやすくなる・ケガをしやすくなるなどに繋がっていきます。
逆にビタミンDを過剰摂取していると母体の血中カルシウム濃度が異常に上昇(高カルシウム血症)し、腎臓に大きなダメージを与える可能性があります。
ビタミンDを過剰摂取した場合、血液中のカルシウム濃度が高くなりすぎたり、臓器にカルシウムが蓄積してしまうことがあります。
引用:東京かつしか赤十字母子医療センター|妊娠中のサプリメントの利用について
当然、母体の健康が損なわれれば胎児の成長・健康にも悪影響が及びますので、ビタミンDの摂取量には注意が必要と言えます。
ビタミンDと葉酸の飲み合わせについて
ここではビタミンDと共に摂取が欠かせない栄養素のひとつである「葉酸」について解説していきます。
妊活中から葉酸を摂取する意味やビタミンDサプリとの飲み合わせを解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
妊活中に葉酸を摂取する意味
妊活中から葉酸の摂取が推奨されているのは、胎児の神経管閉鎖障害リスクを下げるためです。
神経管閉鎖障害とは胎児が成長する過程で脳や脊髄のベースとなる神経管が上手く形成されず、様々な病気の要因となる障害を指します。(無脳症、二分脊椎症など)
また、本来であれば閉じるはずの神経管がそのままの状態では胎児が死亡する原因にもなるため、妊娠前から葉酸を摂ることが推奨されています。
葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。数多くの疫学研究から、受胎前後における葉酸摂取により胎児の神経管閉鎖障害(NTDs: neural tube defects)の発症リスクが低減することが報告されました。
引用:e-ヘルスネット(厚労省)|葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
これまでの研究により、葉酸には胎児の神経管閉鎖障害リスクを下げる効果があることが分かっています。
なお、胎児の神経管が形成される時期は妊娠4~6週目です。一般的に妊娠が判明する時期と重なっているため、妊娠が分かってから葉酸を摂取しても遅い可能性があります。
- 妊娠前から葉酸を摂取しておくことが大切
- 妊娠前女性の葉酸摂取目安量は1日あたり「200µg」(推奨量は240µg)
- 葉酸の耐容上限量は1日あたり「1000µg」
食事によって十分な量の葉酸を摂取できない場合はサプリメントの利用も推奨されています。(サプリメントで補う場合は天然の葉酸サプリがおすすめ)
ビタミンDと葉酸の飲み合わせ
ビタミンDと葉酸のサプリメントに関して飲み合わせが悪いといった報告はありません。
そもそも葉酸はビタミンB群に含まれる水溶性のビタミンで、多く摂りすぎた場合には尿として排出されます。
なお、複数のビタミンが配合されたマルチビタミン系のサプリメントを服用する場合は、それぞれの摂取量に注意しましょう。
ビタミンDが胎児に与える影響に関してよくある質問
ここからはビタミンDが胎児に与える影響に関してよくある質問に答えていきます。
妊活中にビタミンDを摂りすぎるとどうなる?
ビタミンDを過剰に摂取すると血中カルシウム濃度が高まり、体調不良(嘔吐・下痢・めまいなど)や腎機能の低下を招く恐れがあります。
体調が悪くなると着床率・妊娠率にも良い影響を与えないと考えられますので、妊活中の方がビタミンDサプリを利用する場合は摂取量に気を付けましょう。
妊娠中にビタミンDを摂りすぎるとどうなる?
妊活中と同じく、妊娠中にビタミンDを摂りすぎることも母体・胎児にとっては良くありません。
ビタミンDを過剰摂取すると食欲不振が起きることもありますが、こうした症状が出ると胎児に必要な他の栄養素が不足してしまいます。
また、母体が健康ではないと安全に出産することもできなくなってしまいますので、妊娠中もビタミンDの摂取量には注意が必要です。
ビタミンDサプリはいつまで飲むもの?
妊活~妊娠中において、ビタミンDサプリを飲む期間は特に決められていません。
目安の摂取量を守っていれば妊娠後に継続して飲んでいても問題はないと言えます。
ビタミンDが胎児に与える影響が気になる方はファンクショナルマッサージ治療室まで
「ビタミンDが胎児に与える影響は?」「妊活中に気を付けるべきサプリメントの飲み方は?」
ファンクショナルマッサージ治療室では、こうした疑問をお持ちの方に向けて食事やサプリメントの摂り方についてアドバイスをおこなっています。
当院は不妊改善を目的とした施術(針治療・お灸・骨盤矯正マッサージなど)のほか、妊活に役立つ様々な情報を提供している鍼灸院です。
妊活に関するお悩みであればどんなことでもご相談に乗れますので、まずは一度ファンクショナルマッサージ治療室までお越しください。
ファンクショナルマッサージ治療室の施術内容や過去の実績
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様々な医学的治療をおこなっても良い結果が出てこなかった方にこそ試してもらいたいのが鍼灸による不妊改善の取り組みです。
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胎児への影響を考えるなら妊活中からビタミンDの摂取量を意識すること
「ビタミンDは胎児にどういった影響を与えるのか?」という疑問を解消するために様々な情報を紹介してきました。
- ビタミンDは胎児の成長と骨の形成に欠かせない栄養素(特定の病気予防にも有効)
- ビタミンDには免疫力を整える役割があり妊活にも好影響を与える
- ビタミンDは葉酸と共に妊活中から摂取しておくことが大切
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