アルギニンで子宮内膜を厚くする|効果・摂取量・注意点を解説【妊活の疑問を解消】

アルギニン子宮内膜厚くする
  • アルギニンを摂取すると子宮内膜が厚くなる?
  • 1日あたりどれくらいのアルギニンを摂取すれば良い?
  • アルギニンを摂取するときの注意点は?

妊活をしている方の中には「子宮内膜が薄くて着床しづらい」「子宮内膜の状態を改善して早期妊娠を叶えたい」といった悩みや要望を抱えている方も多いと思います。

子宮内膜の厚さは着床率や妊娠率に大きな影響を与える部分です。具体的には、子宮内膜の厚みが8mm~12mm程度あると妊娠しやすいと言われています。

「子宮内膜が薄い」と判断されるのは一般的に「7mm以下」の場合です。子宮内膜を厚くする方法は色々とありますが、アルギニンの摂取もそのひとつに挙げられます。

この記事では妊活中の女性が知りたいアルギニンの効果や目安となる摂取量、安全性や注意点などを詳しくまとめました。また、アルギニンを多く含む食べ物も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

アルギニンは子宮内膜を厚くする?効果や摂取量を解説

まずはアルギニンの基礎知識やアルギニンを摂取することで子宮内膜が厚くなる理由を解説していきます。

合わせてアルギニンの目安摂取量も説明していますので、ぜひご覧ください。

そもそもアルギニンとは

アルギニンは「アミノ酸」の一種です。身体の中でも生成できることから「非必須アミノ酸」に分類されています。

アルギニンの特徴は、人間の成長に欠かせないホルモンの分泌を促進する働きを持っている点です。そのほかにも以下のような役割を担っていて、老若男女関わらず日頃から適量の摂取が求められます。

アルギニンの働きや作用
  • 身長を伸ばしたり筋肉を増やしたりするホルモンの分泌をサポート
  • 体内におけるエネルギーの生成を助けて疲労回復を早める
  • 免疫力を高めてウイルスや細菌から身体を守る
  • 体内に溜まった余分なアンモニアを排除する
  • 皮膚の新陳代謝を促進し肌の修復をおこなう
  • 血管を広げる一酸化窒素を生成し血流を良くする

ご覧の通り、アルギニンには数多くの作用があります。この中で妊活に役立つのは「血流を良くする」という部分です。

血管を広げて血液の流れを良くするためには一酸化窒素が必要となりますが、この一酸化窒素の材料となるのがアルギニンです。

アルギニンを摂取することで血管が拡張されやすくなり、結果として血流が改善される構造となっています。

アルギニンは子宮内膜を厚くする効果が期待できる

子宮内膜を厚くするためにはホルモン(エストロゲン)の分泌と十分な血液が必要となります。

血流改善効果が期待できるアルギニンを摂取すれば血液がしっかりと子宮内膜の毛細血管まで届くようになり、子宮内膜の増殖に役立つということです。

実際、不妊治療中かつ子宮内膜が薄い女性を対象とした研究では、アルギニンを摂取することで子宮内膜の状態が改善されたという報告もあります。

子宮内膜が7mm以下の女性にアルギニンを投与したところ、そのうち67%の方で改善が認められた。

参考:National Library of Medicine|Endometrial growth and uterine blood flow: a pilot study for improving endometrial thickness in the patients with a thin endometrium(意訳:子宮内膜が薄い患者における子宮内膜の厚さを改善するためのパイロット研究)

こちらの研究ではアルギニンと同じように血流改善効果がある「ビタミンE」を投与した結果も報告していますが、割合としてはビタミンEよりアルギニンの方が15%ほど高い数値となっていました。

以上のデータからもアルギニンには子宮内膜を厚くする効果が期待できると言えます。

ビタミンEに関しては数多くの研究により「子宮内膜の血流改善に有効的」であることが分かっています。

参考:株式会社杏林舍(日本産科婦人科学会雑誌第64巻第9号)|不妊治療の問題点(難治性不妊症)とその対策 薄い子宮内膜

妊活中にアルギニンを摂取するときの目安量について

現在のところ、アルギニンの摂取量については明確な数値が設定されていません。

厚生労働省の報告においても摂取目安量・耐容上限量が設けられていないのですが、一般的な見解として1日あたり2,000~4,000mg程度の摂取量が適切と考えられています。(女性の場合)

厚生労働省で摂取量目安は正確に定められていませんが、アルギニンが効果的に働くには1日に2000~4000mgくらいの摂取が必要といわれています。

引用:大正製薬|L-アルギニン塩酸塩

なお、不妊治療にアルギニンを用いる場合、長期的な摂取を考慮すると1日あたり15,000~21,000mg程度が上限量になると言われています。

普通の食事でこれだけのアルギニンを摂取することは現実的に難しいものの、サプリメントや製剤を服用する際は上記の数値を目安にしてみてください。

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子宮内膜を厚くするアルギニンを摂取する方法

ここからは子宮内膜を厚くする効果が期待できるアルギニンの摂取方法を解説していきます。

アルギニンを摂取する方法は「普段の食事」または「サプリメントによる補給」の2パターンです。サプリメントでアルギニンを補うときは過剰摂取に関する注意点を理解しておきましょう。

アルギニンが多く含まれる食べ物

アルギニンは日頃から口にする食事にも含まれています。

以下ではアルギニンが多く含まれている食べ物をピックアップしましたので、食生活の参考にしてみてください。

アルギニン含有量が多い食べ物
  • 炒り落花生:3,100mg
  • 炒り大豆:3,000mg
  • きな粉:3,000mg
  • ごま:2,900mg
  • くるみ:2,200mg
  • エビ:2,000mg
  • いわし丸干し:1,900mg
  • 豚ロース:1,300mg
  • 鶏むね肉:1,200mg
  • 生卵:780mg
  • マグロ刺身:1,300mg
  • カツオ刺身:1,300mg
  • 納豆:940mg
  • 豆乳:300mg

※100gあたりにおけるアルギニン含有量を表記

落花生やごま、大豆食品にはアルギニンが多く含まれています。また、肉類や赤身の魚、卵にも含まれているため、バランスの良い食生活を心掛けていればアルギニン不足に悩むことはないと言えるでしょう。

アルギニンが含まれるサプリメント

現在はアルギニンの補給に特化したサプリメントがたくさん販売されています。

サプリメントでアルギニンを補給するときには以下の点に気を付けましょう。

アルギニンサプリを利用するときのポイント
  • 余計な添加物が入っていないものを選ぶ
  • 必ず含有量をチェックする
  • 妊活中であれば医師に相談する

市販されているサプリメントには添加物が含まれている商品もあります。添加物の中には妊活を阻害するものもあるため、商品を選ぶときには原材料を確認しましょう。

また、含有量のチェックも重要です。アルギニンの摂取目安量は1日あたり2,000~4,000mgとされていますので、この数値を超えすぎないものを選んでください。

粉末タイプのアルギニンサプリは摂取量が分かりづらくなるため、妊活のために飲むならカプセル状の商品がおすすめです。

なお、掛かりつけの医師がいる場合は、医師にサプリメントを見てもらって「飲んでも大丈夫なものか」を相談しましょう。

アルギニンの過剰摂取に関する注意点

アルギニンを過剰に摂取すると以下のような症状が現れる可能性があります。

アルギニンの過剰摂取リスク
  • 消化器官の不調(下痢や嘔吐)
  • 急性心筋梗塞のリスク増加
  • アレルギー症状や喘息の悪化

アルカリ性の性質を持ったアルギニンを大量に摂取すると消化器官(弱酸性)にダメージが与えられ、胃腸の不調を引き起こす原因となります。

また、心筋梗塞を発症した方にアルギニンを投与するのは危険といった研究報告もありますが、たとえ同疾患歴がない方でも注意は必要です。

そのほか持病のアレルギー症状や喘息が悪化するケースもあるため、アルギニンの摂取は適量までに留めましょう。

参考:日経メディカル|心筋梗塞後のアルギニン投与は有害か 血管の硬さや左室機能を改善せず、むしろ死亡率が上昇する,厚生労働科学研究成果データベース|アルギニン

子宮内膜を厚くするアルギニンについてよくある質問

ここからはアルギニンについてよくある質問に答えていきます。

アルギニンはいつ飲むと妊活に効果的?

アルギニンサプリを飲むタイミングは一般的に「就寝前」または「トレーニングの前後」と言われています。

筋トレ後の疲労回復を目的とする場合はトレーニング前後のタイミングで飲むことになりますが、妊活のためにアルギニンサプリを利用する方は就寝前に飲みましょう。

アルギニンは男性不妊の改善にも役立つ?

アルギニンには精子の数を増やし、その運動率を高める効果があります。

アミノ酸は精子の元となるタンパク質を構成する成分でもあるため、男性不妊の改善に役立つと言えるでしょう。

アルギニンの摂取以外で子宮内膜を厚くする方法は?

子宮内膜を厚くするためには、ビタミンE・鉄分・タンパク質をバランスよく摂取することが大切です。

アルギニンには血流を改善し子宮へと送る血液の量を増やす効果がありますが、より子宮環境を改善するには血液の質に着目することも重要と言えます。

この点に関しては以下の動画で詳しく説明していますので、ぜひ参考までにご覧ください。

動画のポイント
  • 子宮内膜を厚くするには血流の改善が必要
  • 血流の改善だけではなく「血の質」も重要
  • ビタミンE・鉄分・タンパク質などをバランスよく摂ることが大事

子宮内膜の厚さを妊娠に適した状態まで戻すにはアルギニン以外の栄養素も必要になってきます。

また、血液の質を高めることで妊娠しやすい身体に近付けるといった考え方もありますので、こうした部分を妊活に役立てていきましょう。

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子宮内膜を厚くする方法を知りたい方はファンクショナルマッサージ治療室まで

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アルギニンは子宮内膜を厚くする効果が期待できる|妊活中に適切な量を摂取

ファンクショナルマッサージ治療室HP画面

「アルギニンを飲めば子宮内膜は厚くなる?」という疑問を解消するためにアルギニンの効果・目安摂取量・注意点などを詳しく紹介してきました。

この記事のまとめ
  • アルギニンには血管を広げて血流を改善する効果がある
  • 血流が改善されることで子宮内膜が厚くなる
  • ただしアルギニンの過剰摂取には注意が必要

妊活女性の場合、アルギニンの摂取量は1日あたり2,000~4,000mgが目安となっています。

アルギニンを摂取することで子宮内膜が厚くなったという研究結果もありますので、アルギニンは妊活に役立つ栄養素のひとつと言えるでしょう。

ただし、過剰に摂取すると胃腸の調子やアレルギー症状を悪化させる恐れがあるため、サプリメントで補う際には摂取量に注意してください。(掛かりつけの医師に相談することも大切)

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