活性酸素とは?妊活に与える影響や妊娠後に知っておくべきポイントを解説

活性酸素とは
  • 活性酸素とはどんなものを指すの?
  • 活性酸素は妊活にどんな影響を与える?
  • 抗酸化作用が高い食べ物や飲み物は?

この記事ではご覧のような疑問を解消するために「活性酸素とは何か?」を説明していきます。

また、活性酸素による酸化ストレスを緩和してくれる抗酸化作用が高い食べ物や飲み物についても詳しくまとめましたので、若々しい身体作りを目指している方はぜひご覧ください。

活性酸素とは、普段わたしたちが摂り込んでいる酸素から生じるものであり、免疫機能を維持するためには欠かせない物質のひとつです。ただし、活性酸素が必要以上に増えると正常な細胞にもダメージを与え、病気や老化の原因となってしまいます。

活性酸素が過剰な状態となり、体内でのバランスが崩れると「酸化ストレス」を引き起こします。

酸化ストレスは妊活に悪影響を与える可能性があり、早期の妊娠を目標とする方にとっては大敵といえるものです。

現在、妊活をしている方は活性酸素(酸化ストレス)を抑制するための食生活や運動、生活習慣を心掛けてみてください。

目次

活性酸素とは?身体に与える影響や増える原因を解説

まずは活性酸素の基礎知識から見ていきましょう。

活性酸素とは何か?活性酸素が増える原因とは?などの疑問を解消していきます。

活性酸素は生命維持に欠かせないもの|増えすぎると身体に良くない

人間が生きていく上で絶対に欠かせないものが酸素と水です。わたしたちは自然と大気中に含まれる酸素を体内に摂り込んで生命を維持しています。

摂り込んだ酸素のうち、その数パーセントは普通よりも活性化された状態となりますが、これが「活性酸素」です。

本来、活性酸素は身体の新陳代謝や免疫機能を保つ働きを担っています。しかし、活性酸素が増えすぎると正常な細胞に対しても攻撃をおこなってしまい、結果として「細胞のダメージ=老化」が起こります。

活性酸素の産生が過剰になり、抗酸化防御機構のバランスが崩れた状態を酸化ストレスといいます。

引用:e-ヘルスネット|活性酸素と酸化ストレス

上記の通り、活性酸素の増加によって生じるものが酸化ストレスです。酸化ストレスは細胞の老化だけでなく、以下のような病気の原因にもなります

【酸化ストレスと関係性がある疾患】
・脳神経疾患
・生活習慣病
・白内障

酸素を利用すると同時に活性酸素は常に体内で生じています。この活性酸素が私たちの細胞を傷つけ、被害をもたらしています。活性酸素は老化、がん、シワ、しみ、糖尿病や脂質異常症、動脈硬化などの生活習慣病の原因となります。

引用:公益財団法人長寿科学振興財団|抗酸化による老化防止の効果

活性酸素は「病気を防ぐ」「病気を引き起こす」という二面性を持つ物質です。そのため、正常なバランスを保つことが健康にとって大切となります。

活性酸素が増える原因|紫外線や喫煙など

活性酸素が増える原因を以下の通りです。

活性酸素の主な増加原因
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 紫外線
  • 激しい運動
  • 日常的なストレス

タバコには活性酸素の増加を促す有害物質が含まれています。また、飲酒後に肝臓でアルコールが分解されるときにも活性酸素が生じます。

「喫煙や飲酒は何となく身体に悪い気がする」というイメージを持つ方も多いと思いますが、肺や肝臓への直接的なダメージだけでなく、酸化ストレスによって老化や病気のリスクが高まることも大きな問題です。

そのほか、人間の身体は紫外線を浴びると皮膚で活性酸素が生じるようになっています。こうして生成された活性酸素が皮膚細胞を攻撃し、シミやシワの原因となるのです。

激しい運動は、その分だけ多くの酸素を摂り込むことになります。結果として活性酸素を増やす要因となるので、健康のために運動をするならウォーキング程度に留めておきましょう。

日常的にストレスを溜め込むと一時的に血行が悪くなり、この血行不良が元に戻る際には余分な活性酸素が生じます。「ストレスが溜まる⇒老けやすい」というのは、こうした作用も原因と考えられます。

活性酸素を減らすには|第一に生活習慣の見直しが必要

活性酸素を減らすために必要なことは以下の通りです。

活性酸素を減らすには
  • 適度な運動
  • 十分な睡眠時間
  • 食生活の改善

適度な運動は体内の抗酸化作用を高めてくれます。また、睡眠時間を十分に取ることも活性酸素の抑制に繋がります。

メラトニンは睡眠を促し免疫力アップに働くだけでなく、成長ホルモンと並ぶアンチエイジングホルモンとして体内に発生する活性酸素を除去(抗酸化作用)し、老化や病気を未然に防いでくれます。

引用:新百合ヶ丘総合病院|睡眠について(後編)~良質な睡眠を得るために~

睡眠を促すホルモン「メラトニン」には高い抗酸化作用がありますので、酸化ストレスを減らしたい方は夜間にちゃんと寝られる生活サイクルを目指しましょう。

また、抗酸化物質(栄養素)が含まれる食べ物を意識的に摂取することも大切です。抗酸化作用が高い栄養素としてはビタミンA・ビタミンC・ビタミンEなどが知られています。

なお、妊活女性の間ではポリフェノールを多く含む「ルイボスティー」がよく飲まれていますが、詳しい効果や注意点も理解しておきましょう。

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不要な活性酸素を除去・抑制する食べ物を紹介

ここからは活性酸素を除去・抑制する食べ物について紹介していきます。

「普段の食生活でどういった点を気にすれば良いのか?」「抗酸化作用が高い食べ物はどれなのか?」などの疑問を解消したい方は、こちらをご覧ください。

抗酸化作用がある栄養素や食べ物

普段わたしたちが口にする食べ物の中には、高い抗酸化作用を持つものがたくさんあります。

スクロールできます
抗酸化作用が高い栄養素多く含まれる食べ物
ビタミンAウナギ/レバー/モロヘイヤなど
妊活中~妊娠初期は摂取量に注意が必要
ビタミンCアセロラ/パプリカ/レモン/イチゴ/キウイなど
ビタミンEピーナッツ/ヘーゼルナッツ/アーモンドなど
アスタキサンチンカニ/エビ/イクラなど
アントシアニンブルーベリー/ブドウ/ナス/赤紫蘇/黒ゴマなど
βカロテンニンジン/ピーマン/カボチャなど
リコピントマト/スイカ/マンゴーなど
イソフラボン納豆/豆腐/豆乳/きな粉/湯葉など

ビタミンAは皮膚細胞や目の粘膜などの再生・成長に必要な栄養素です。酸化ストレスを抑制する働きもありますが、ビタミンAの過剰摂取は胎児に悪影響を与える可能性があります。

そのため、妊活中~妊娠初期の女性は摂取する量に注意しましょう。

ビタミンCやビタミンEは妊活に役立つ栄養素であり、体内の抗酸化作用を高めるためにも意識的に摂取してみてください。

また、アントシアニンやイソフラボンは抗酸化作用が高いことで知られるポリフェノールの一種です。

ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分で、自然界に5,000種類以上あると言われています。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立ちます。

引用:公益財団法人長寿科学振興財団|ポリフェノールの種類と効果と摂取方法

上記の通り、ポリフェノールとは色素の成分なので、色が似ている食べ物には同じような栄養素が含まれています。

そのほかトマトに含まれることで有名なリコピン、カニやエビといった甲殻類に多く含まれているアスタキサンチンも酸化ストレスの抑制に効果的な栄養素(食べ物)と言えるでしょう。

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妊活中におすすめしたいビタミンEの効果

活性酸素の働きを抑制する栄養素の中で、特に妊活中の女性におすすめしたいものが「ビタミンE」です。

ビタミンEには酸化ストレスの軽減や血流改善といった効果があり、結果として妊娠しやすい身体作りに役立つと考えられています。

ビタミンEは細胞膜に多く含まれる不飽和脂肪酸が酸化して有害な過酸化脂質に変わるのを防ぎ、細胞や血管の健康維持、老化予防に力を発揮します。血中のLDLコレステロールの酸化を防ぐ働きにより、動脈硬化や心疾患、脳卒中などの生活習慣病を予防する効果も期待されています。

さらにビタミンEには、血液の循環をスムーズにする働きや、ホルモンバランスを整える働きもあり、血行不良が原因で起こる肩こりや冷えといった体の不調の改善、月経不順や更年期障害など女性特有のトラブルの改善、妊活のサポートなどにも役立つとされています。

引用:大正製薬|ビタミンE 強い抗酸化作用をもつ、老化を防ぐビタミン

ビタミンEの効果や必要性については以下の動画でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

動画のポイント
  • ビタミンEは妊活女性に欠かせない栄養素のひとつ
  • 血行改善や酸化ストレスの抑制効果がある
  • 子宮内膜が健全な状態になれば妊娠しやすくなる

酸化ストレスを抑え、体内の若返りを図りたい方はビタミンEを積極的に摂取しましょう。

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活性酸素は妊活・妊娠・出産後の幼児にも影響を与える

ここからは活性酸素が妊活や妊娠、出産後の幼児に与える影響について解説していきます。

妊娠中に抗酸化作用が高い食べ物(特にビタミンCを多く含むもの)を積極的に摂取すると、幼児の多動問題・低い向社会的行動のリスクが低下するといったデータがあります。

また、妊活中に関しては活性酸素の抑制が卵子の質の向上に繋がると考えられていますので、妊娠前から抗酸化作用の高い食生活を意識することが大切です。

活性酸素が卵子に与える影響

活性酸素が過剰に生成されると、体内では酸化ストレスによる老化が加速します。

老化が進むと当然「卵子の質」も低下しますので、妊活においては不利な状況です。

逆に考えると、妊娠しづらいと言われる40代以降の女性でも、酸化ストレスを抑えて体内年齢を下げれば卵子の質が向上します。

以下の動画では妊活と酸化ストレスの関係性、40代以降の女性にこそ知ってもらいたい妊活のポイントを紹介していますので、ぜひご覧ください。

動画のポイント
  • 酸化ストレスは妊活にも悪影響を与える
  • 激しいスポーツや揚げ物の摂取は控えた方が良い
  • 睡眠中の基礎代謝を上げるためには基礎体温を上げることが重要

高温期の基礎体温が上がることで、自然と基礎代謝能力も向上します。体温を上げるためには「深い呼吸を意識する」「身体をほぐして酸素が巡りやすい状態にする」といった日々の習慣が大事になってきますので、ぜひ覚えておきましょう。

なお、妊活中の食生活については以下の記事を参考にしてみてください。

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活性酸素が妊娠中の母体・出産後の幼児に与える影響

下記は、愛媛大学が令和元年に発表した論文の中から一文を抜粋したものです。

妊娠中の野菜、果物(特にりんごと柑橘類)、ビタミン C 摂取が生まれた子の行動的問題に予防的であることを示す研究成果を初めて発表し、令和元年 8 月 24 日に学術誌「Nutrition」の電子版に公表されました。

引用:愛媛大学プレスリリース|妊娠中の野菜、果物、ビタミン C 摂取と幼児の行動的問題との関連について発表

こちらの論文では以下のような内容を紹介していきます。

論文の内容
  • 妊娠中は活性酸素の産生が高まる
  • 妊娠中に抗酸化作用が高い食べ物を多く摂取すると子供の多動問題、低い向社会的行動のリスクが下がる
  • 果物の中では特にリンゴが有効的と考えられる
  • 栄養素別ではビタミンCの摂取が子供の行動問題リスクの低下に繋がると考えられる
  • 摂取する緑黄色野菜、それ以外の野菜、柑橘類の違いによって上記の内容が変化する

妊娠時に母体の酸化ストレスを抑えれば、子供の多動問題(多動症など)リスクが下がる可能性があるということです。

こうした観点からも抗酸化作用が高い食べ物や酸化ストレスを抑える生活習慣を意識してみてください。

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活性酸素による酸化ストレスを予防して妊娠しやすい身体づくりを

ファンクショナルマッサージ治療室HPトップ画像

「活性酸素とは何か?」「酸化ストレスが妊活に与える影響は?」といった疑問をテーマに、色々な情報を伝えてきました。

この記事のまとめ
  • 活性酸素が過剰に生成されると老化や病気の原因となる
  • 酸化ストレスを抑えるためには食生活を含めて生活習慣を変える必要がある
  • 抗酸化作用が高い食べ物は妊活や出産に良い影響を与える

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