- 妊活中から鉄分の摂取は必要?
- 鉄分にはどんな効果がある?
- 妊活中における鉄分の必要量は?
この記事ではご覧のような疑問を解消するために「妊活中に必要な鉄分の摂取量」について解説していきます。
鉄分は妊娠しやすい身体に近付けるためだけでなく胎児の健康を考えた場合も欠かせない栄養素のひとつです。
妊娠してから鉄分を摂り始める方も少なくありませんが、できれば妊活中から必要量の鉄分を摂取しておきましょう。(ただし耐容上限量オーバーに注意)
本文では鉄分の効果・1日あたりの摂取量・上限量などを詳しくまとめました。
また、鉄分以外に必要な栄養素も紹介していますので、いま妊活をしている方やこれから妊活を始める方はぜひご覧ください。
妊活中に鉄分が必要な理由と目安の摂取量
鉄分は妊活中から摂取しておくことが大事です。その理由とどれくらいの量を摂取すれば良いのかを解説していきます。
鉄分の推定平均必要量は年齢や妊娠の有無によって若干変動します。
また、1日あたりの必要量と推奨量も異なりますので、その点を含めて詳しく見ていきましょう。
鉄分は鉄欠乏性貧血の予防に必要
鉄分はミネラルの一種であり、赤血球に含まれるヘモグロビンを構成するために必要です。
体内の鉄分量が減少するとヘモグロビン濃度が低下し、結果として貧血を起こしてしまいます。これを「鉄欠乏性貧血」と呼びます。
鉄分不足による貧血が慢性的に起こっていると、妊娠の要である卵巣や子宮といった臓器に十分な血液(栄養)がいき渡りません。
当然、卵巣の栄養が足りなければ卵子の質が低下し、子宮の場合には内膜の厚さに悪影響を与えます。
こうした理由からも妊活時から適量の鉄分摂取が求められているということです。
ただし、鉄分不足だからといっていきなり鉄分サプリや鉄剤を摂取しても効率よく身体に吸収されません。
以下の動画では妊活と鉄分の関係性を分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
- 「卵子の成長に必要なミトコンドリア」⇒「ミトコンドリアには酸素が必須」
- 酸素を運ぶのは赤血球(ATP=細胞の成長に必要なエネルギー)
- 鉄分を吸収するには腸内環境の改善が先決
鉄分の多くは腸で吸収されます。その腸が上手く機能していない(=腸内環境が悪い)と鉄分サプリや鉄剤を摂取しても良い効果が現れないということです。
なお、鉄分不足だと妊娠しづらいだけでなく、生まれてくる胎児の健康状態にも良い影響を与えません。
健診で貧血の結果が出なくても、鉄の「貯蓄」がほとんどない隠れ貧血の人が4割以上という実態がある。貧血や隠れ貧血で鉄不足の女性が妊娠すると、赤ちゃんが小さく産まれたり、早産になるなどの健康リスクが高まることも分かってきた。
引用:日本経済新聞|妊活女子は隠れ貧血注意 健診で4割以上、早産リスク
ご覧の通り、鉄分が不足していると胎児の成長遅延・早産のリスクが高まります。同様のリスクを回避するためにも、日頃から鉄分の摂取を意識しましょう。
妊活中における鉄分の推定平均必要量は8.5~9.0mg
妊活中(非妊娠状態)における鉄分の推定平均必要量は「8.5~9.0mg」です。(30歳以上が9.0mg)
上記は1日あたりに摂取する目安量であり、推奨量は「10.5~11.0mg」となっています。
なお、鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2つがあります。肉や魚に多く含まれているのはヘム鉄で、牛乳や野菜に含まれているのは非ヘム鉄です。
吸収率が良いのはヘム鉄で、非ヘム鉄よりも栄養として活用される割合が高くなります。
一般的な食生活を送っていればヘム鉄と非ヘム鉄の両方を摂ることになりますが、それぞれの鉄分がお互いの邪魔をするようなことはありません。そのため、普通に食事をしているとある程度の鉄分は自然と摂取できます。
なお、ヘモグロビンを増やすには鉄分のほか、タンパク質(細胞の元となる)やビタミンC(鉄の吸収をサポート)も必要となってきます。
鉄分の耐容上限量は1日あたり40.0mg
妊活や妊娠時に鉄分が必要といっても過剰に摂取することは推奨されていません。
鉄分の耐容上限量は1日あたり「40.0mg」です。
一般的な食事で鉄分の耐容上限量をオーバーすることはほぼないと言えますが、鉄分サプリや鉄剤を利用する際には上記の数値に注意しましょう。
鉄分の含有量が高い食材としては豚のレバーが挙げられます。生の豚レバー(50g)に含まれる鉄分量はだいたい6~7mgです。(上限量を超えるには300~350gのレバー摂取が必要となる)
なお、仮に1日の食事で鉄分の上限量を超えても、同じような食事を続けなければ特に大きな問題にはなりませんので安心してください。
補足:妊婦における鉄分の摂取量について
妊活を経て、無事に妊娠をした際は「妊婦における鉄分の摂取量」を参考にしましょう。
妊娠初期は推定平均必要量に加えて「2.0~2.5mg」、中期~後期にかけては「12.5~15.0mg」をプラスしていきます。
参考:厚生労働省|鉄の食事摂取基準(mg/ 日)1
なお、体質や体重によっても摂取すべき適切な鉄分量は若干変わるため、できれば掛かりつけの医師からアドバイスをもらってください。
そのほか妊活に必要な鉄分以外の栄養素と摂取量
ここからは妊活に必要な鉄分以外の栄養素について解説していきます。
「なぜこの栄養素が必要なのか?」「どれくらいの量を摂取すれば良いのか?」という疑問に応えていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
妊活中の必要量①葉酸
妊活中から摂取しておくべき栄養素としては、まず「葉酸」が筆頭に挙げられます。
葉酸の摂取が推奨されている理由は「胎児の神経管閉鎖障害発症リスクを減らすため」です。
受胎前後に葉酸のサプリメントを投与することによって神経管閉鎖障害のリスクが低減すること
引用:厚生労働省|日本人の食事摂取基準 (2020年版)
は数多くの介入試験で明らかにされている
神経管閉鎖障害とは、脳や脊椎・脊髄の元となる神経管が閉じずに形成され、様々な疾患の原因となる障害です。
場合によっては胎児が死亡することも少なくないため、妊娠前後の時期には積極的な葉酸の摂取が勧められています。
成人女性が1日に摂取すべき葉酸の推定平均必要量は「200µg」です。推奨量は「240µg」となっています。
参考:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)対象特性 妊婦・授乳婦
なお、葉酸の効果や摂取量・上限量に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧になってみてください。
妊活中の必要量②ビタミンD
ビタミンDは早産や流産のリスク抑制、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の予防に必要な栄養素です。
ビタミンD不足は,妊娠率・着床率の低下や流産と関連し,妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスク因子となることも確認されている
引用:日本産婦人科医会|不妊治療前に気をつけておくこと
ビタミンDにはカルシウムの吸収を手助ける作用があり、胎児の骨の成長には欠かせない栄養素となっています。
また、免疫機能を整えるというのもビタミンDの役割です。子宮や卵巣の免疫機能が正しく働くことによって着床率・妊娠率が上がるとされています。
このようにビタミンDは胎児の健康と妊活の成果に良い影響を与える栄養素となりますので、鉄分や葉酸と共に摂取しておきましょう。
妊活時におけるビタミンDの推奨摂取量は1日あたり「8.5µg」です。なお、ビタミンDは日光に当たることによって皮膚で生成される栄養素でもあります。(耐容上限量は100µg)
日頃から日光に当たる人とそうでない人では1日に補われるビタミンDの量が変わってきます。また、季節や天候によって日光の照射量は変わるため、妊活中は食事やサプリメントでビタミンDの摂取量を調整しましょう。
より詳しいビタミンDの効果や上限量については以下の記事を参考にしてみてください。
妊活中の必要量③ビタミンE
ビタミンEは子宮内膜症や子宮線筋症の改善に役立つ栄養素です。
脂質の酸化を抑制する働きがあるビタミンEには、血液をサラサラにして血流を良くするといった効果もあります。
血液の流れが良くなることで子宮や卵巣に栄養が届くようになり、その状態が改善されるということです。
ビタミン E は,脂質代謝改善作用,微小循環賦活作用,生体膜安定化作用や抗酸化作用を持っており,種々の臓器で血流を改善することが示されている
引用:株式会社杏林舍(日本産婦人科学会誌)|生殖・内分泌 クリニカルカンファレンス不妊治療の問題点(難治性不妊症)とその対策2)薄い子宮内膜
子宮内膜が着床に適した厚さになることで妊娠の手助けとなります。そのため、妊活中はビタミンEも意識的に摂取しましょう。
成人女性が1日に摂取すべきビタミンEの目安量は「6.0mg」です。妊婦の目安量は「6.5mg」となっています。
なお、ビタミンEの耐容上限量は1日あたり「800mg」です。ビタミンEを過剰摂取することで何かしらの疾患を発症する恐れはないとされていますが、出血が止まりにくくなることがあります。
一般的な食事で耐容上限量を超えることはありませんが、高濃度のサプリメントで補う際は含有量に注意しましょう。
妊活時の鉄分の必要量に関してよくある質問
ここでは妊活時に摂取する鉄分の必要量に関してよくある質問に答えていきます。
- 鉄分を過剰摂取するとどうなる?
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鉄分を過剰摂取すると「胃の痛み」「便秘」「肝障害」を引き起こす恐れがあります。また、短期的に大量の鉄分を摂取した場合には鉄中毒の症状が現れる可能性もあるため、鉄分サプリや鉄剤を服用する際は注意が必要です。
- 鉄分不足のサインは?
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「立ち眩みやめまい」「疲れやすい」「氷を異常に食べる(欲する)」などの状態が続いている場合は鉄分不足の可能性があります。月経時に「出血量が多い」「痛みが激しい」といった方は鉄分不足または鉄分不足になりやすい体質と言えるため、食事やサプリメントで栄養を補いましょう。
- 鉄分が多く摂れる食べ物は?
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鉄分を多く含む食べ物は牛・豚・鶏のレバー、赤身肉、赤身の魚(マグロやカツオなど)です。そのほかレンズ豆、ほうれん草、納豆などの食品にも比較的鉄分が多く含まれています。
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妊活中は鉄分の必要量を考えながら食事やサプリを摂取する
「妊活中はどれくらいの鉄分を摂取すれば良いのか?」という疑問をテーマにしながら、鉄分の必要量やそのほかの栄養素について詳しく紹介してきました。
- 鉄分の推定平均必要量は「8.5~9.0mg/1日」(推奨量は10.5~11.0mg)
- 耐容上限量は「40.0mg/1日」で過剰摂取には注意が必要
- 葉酸・ビタミンD・ビタミンEも妊活時に必要な栄養素
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