この記事では「妊活中、排卵後にランニングをしても問題ないのか?」「妊活に適した筋トレ方法や運動は?」といった妊活と運動に関する疑問を解消していきます。
先に結論から伝えますと、妊活中はランニング(有酸素)よりスクワットのような筋トレや股関節を動かすストレッチがおすすめです。
長時間のランニングやウォーキング(有酸素運動)は排卵前・排卵後に関わらず、体内の活性酸素を増やす要因となります。
増えすぎた活性酸素は酸化ストレスを引き起こし、老化を促進させてしまうこともあるため、卵子の質を高めたい妊活中の方にはあまりおすすめしていません。(適度な時間のランニング・ウォーキングは問題なし)
こうした妊活中に知っておきたい筋トレ・運動の知識を分かりやすくまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
【妊活の疑問を解消】排卵後のランニングは短い時間がおすすめ
冒頭でも伝えた通り、妊活中にランニングする場合は短時間に留めておきましょう。
過度なランニングによって体力を使ってしまうと、子宮や卵巣に回すエネルギーが減ってしまいます。
特に排卵後はこれから着床を控えているタイミングでもありますので、体力を温存する意味でもウォーキングやストレッチ程度に抑えておいた方が良いと言えます。
過度なランニングとは1日1時間以上(週5日~毎日)を超えるようなアスリート的なトレーニングを指します。1日10分~20分程度のランニングではそれほど大きな影響がありません。
実際、ほぼ毎日トレーニングを積む女性アスリートは「月経異常」になる確率が高いことが分かっています。
体脂肪率が平均値より低いと生理の周期がズレやすい(または生理がこなくなる)とされていますので、適切な体重・体脂肪率を維持するような運動を心掛けましょう。
参考:日本スポーツ振興センター 国立スポーツ科学センター|女性アスリートのためのコンディショニングブック
【妊活の疑問を解消】排卵後に適切な筋トレ方法や運動について
妊活中の方が排卵後に身体を動かす場合は、どういった筋トレや運動が良いのかを解説していきます。
なお、最初に説明した通り、長時間の有酸素運動は体内の活性酸素増加を促し、老化の原因(卵子の質を下げる要因)となる可能性がありますので、当記事では基本的に推奨していません。
この点を踏まえた上で、妊活中の女性におすすめしたい運動方法をご紹介していきます。
妊活中に筋トレをするなら「スクワット」がおすすめ
妊活中の筋トレとしては太ももの筋肉を使う「スクワット」がおすすめです。
筋トレをすると、動かした筋肉に酸素や血液を送るため循環が促進されます。
血液の出発点となる心臓から太ももに酸素や血液を運ぶ際には子宮や卵巣といった場所も通りますので、妊活中の身体にとっては都合が良いということです。
- 妊活中は有酸素運動より筋トレの方がおすすめ
- 筋トレには血糖値を安定させる効果も期待できる
- おすすめの筋トレはスクワット、ランニングやウォーキングをするなら短時間を推奨
過度な有酸素運動はタンパク質の分解を引き起こしてしまいますので、妊活中の身体にとってあまり良いことではありません。(ホルモンの分泌に必要なタンパク質を余分に消費してしまう)
そこでおすすめするのがスクワットのような筋トレ(レジスタンストレーニング)となるのです。
筋トレをすると糖質から先に消費されていくため、結果的に血糖値の安定効果も期待できます。
妊活中はランニングより「ウォーキング」の方が安心
妊活中の方にはランニングよりも「ウォーキング」をおすすめします。
ウォーキングはランニングより消費するエネルギーが少ないため、活性酸素が増えるリスクを抑えられます。
また、ウォーキングは「妊娠しやすい身体づくり」にも有効的と考えられ、以下の動画ではその内容を解説していますのでご覧になってみてください。
- 妊活においては腸内環境を整えることも大事
- 平滑筋を動かすことを意識する(腸を伸び縮みさせるイメージ)
- ウォーキングの仕方次第で便通が良くなる
月経後から排卵日までの間(低温期)は比較的「便通が良くなる方」が多いので、排卵前までにしっかりと排便をおこない毒素を抜いておきましょう。
腸内環境が改善されれば、排卵前後の「妊娠しやすいタイミング」を健康な状態の子宮や卵巣で迎えられます。
妊活中に運動をしたい方は、ぜひ腸内環境といった観点も考慮してみてください。
子宮内膜の血流改善効果が期待できる「ストレッチ」
子宮内膜を厚くしたい、子宮内膜症を改善したいといった方は「子宮周り」の血流を改善するストレッチを試してみましょう。
子宮周りの血流を良くするためには股関節・腸腰筋といった場所を意識的に動かすことが大切です。
以下の動画では股関節や腸腰筋を動かす意味や効果を解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
- 妊活中に運動する際は「股関節」と「腸腰筋」を意識する
- 子宮・卵巣に必要な栄養は血液によって運ばれる
- 下半身へ流れる血液量が増えれば子宮・卵巣に届く栄養も多くなる(子宮環境の改善に繋がる)
「足先がいつも冷たい(慢性的な冷え性)」「足がよく浮腫んでいる」といった方は血行不良である可能性が高く、子宮や卵巣への血液供給率が低いと考えられます。
こうした状態を治すためにも股関節・腸腰筋の運動が効果的と言えるので、ぜひお風呂あがりなどにストレッチをおこなってみてください。
【妊活の疑問を解消】排卵後のランニングや筋トレに関してよくある質問
ここからは妊活と運動に関する色々な疑問を解消していきます。
「妊活中に腹筋しても良いのか?」「筋トレは不妊の問題解消に役立つのか?」など、気になる部分をぜひご覧になっていってください。
妊活中に腹筋しても良い?
妊活中に腹筋運動をすると着床率が下がるといったデータはありませんので、基本的には腹筋をしても問題ないと言えます。
ただし、こちらもランニングと同様に過度なトレーニング(シックスパックを目指すような筋トレ)は控えましょう。
また、以下の理由により極端なダイエットや体脂肪率を激しく落とす行為もおすすめしません。
ダイエットなどで急激に体重を落とすと,無月経などの月経異常が起こりやすくなり,体脂肪率が17%以下になると,体重減少性無月経に陥りやすくなると言われる。
引用:男女共同参画局HP|第2節 男女の健康支援
着床時期に筋トレをしても大丈夫?
受精卵が子宮内膜にたどり着き、安定して成長できる状態になることを着床と呼びますが、このタイミングはだいたい受精してから10日~15日後です。
こうした「着床を迎える時期に筋トレをしていても大丈夫か?」という疑問を持つ方もいますが、妊娠する可能性があるときは少し筋トレを控えましょう。
これは、筋トレによって着床が妨げられるといった明確なデータはないものの、以下のような考え方もあるからです。
激しいエクササイズをやり過ぎると、コルチゾール(闘争・逃走反応を引き起こすストレスホルモン)の値が上昇し、身体が「いまは安心して赤ちゃんを作るのにベストなときではないかもしれない」と感じるようになる、とクローフォード博士。そうなると、排卵が止まってしまう可能性がある。
引用:NIKE|妊活中のエクササイズ方法の誤解を解く
排卵前後のタイミングで性交をおこない自然妊娠を目指す方も多いのですが、日頃から激しい筋トレや運動をしていると排卵の時期がズレてしまうかもしれません。
せっかくのチャンスを逃してしまうことになりかねないため、妊活中の運動はあくまで適度におこなうべきと言えるのです。
妊活中に代謝を上げるおすすめの運動は?
妊活中に代謝を上げたい場合はウォーキング・ヨガ・ストレッチなど、比較的ゆるめの有酸素運動がおすすめです。
また、基礎代謝を上げる方法としては「入浴時間をしっかりと取る」「水分を多めに摂る」などが挙げられます。
どれくらいの運動なら妊活の邪魔にならない?
妊活中に身体を動かすときは「ストレス解消になるくらいの運動」「翌日に疲労感が残らないレベルの運動」を心掛けてみてください。
妊活において重要なのは血流が正常であり、子宮や卵巣に十分な栄養がいきわたる状態を保つことです。
身体の様々な部分でエネルギー消費が起きると、子宮や卵巣に送るべき血液や栄養が後回しになってしまいます。
こうした状態を避けるためにも、激しい運動は控えた方が良いということです。
不妊の解消に筋トレは有効?
「不妊の解消」と「女性の運動量(筋トレ)」の関係性については、これまでに色々な研究がおこなわれているものの、いまだに明確な結果が出ていません。
筋トレをしたからといって妊孕率が上がるとは限りませんが、妊娠しやすい身体に近づけるために適度な回数の筋トレをおこなうことは有効的と考えられます。
一般的な女性の場合、1日あたり20回~30回程度のスクワットや腹筋であれば過度な筋トレにならず、血流の改善に一定の効果があると言えるでしょう。(妊娠前を前提とする)
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妊活中の疑問として「排卵後にランニングをしても問題ないのか?」をテーマに様々な情報を解説してきました。
- 妊活中はランニングよりもスクワットのような筋トレがおすすめ
- 筋トレは血糖値の安定にも役立つ
- ランニングやウォーキングをする場合は短時間に留める
過剰な有酸素運動をおこなうと体内中の活性酸素が増加し、酸化ストレスによる老化を促してしまいます。(卵子の質も低下する)
そのため、運動をおこなうならランニングよりもスクワットのような筋トレをおすすめしています。
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