「妊活中からカフェインを控えた方が良いの?」
「コーヒーを飲んでいると着床率が低下するの?」
この記事ではご覧のような疑問を解消するためにカフェインと着床率、妊活中の身体への影響などについて解説していきます。
先に結論から伝えますが、カフェインを摂り過ぎると「副腎疲労による女性ホルモン不足」「卵子の質の低下」などの影響が出るため、妊活中から控えた方が良いと言えます。
朝起きたときに必ずコーヒーを飲む方、仕事の合間にコーヒーを飲むという方は決して少なくありません。
しかし、コーヒーに含まれるカフェインには副腎を刺激する作用があり、刺激された副腎からはアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌されます。
こうした余計なホルモンの分泌は妊娠に必要な女性ホルモンの分泌を妨げてしまうため、妊活の段階からカフェインの量を抑えた方が良いと言われているのです。
本文ではより詳しくカフェインが身体に与える影響、妊活中にカフェインを控えるべき理由、コーヒーの代わりになる飲み物などをまとめています。
これから妊娠を予定している方、妊活を検討している方はぜひ最後までご覧になっていってください。
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なぜ妊活中にカフェインを摂ってはだめなのか?どれくらいの量なら大丈夫?
カフェインには中毒性があり、過剰に摂取すると死に至るケースもあります。
こうした要素を持つカフェインを妊活中の身体に取り入れるのはあまり良いこととは言えません。
また、妊活中にカフェインを摂取し続けると卵子の質が低下するといった理由も挙げられますので、妊娠を望む方は1日に飲むコーヒーなどの量を気にしておきましょう。
2016年には、妊婦のカフェイン摂取に関する勧告を公表し、1日300 mg 以上の高カフェイン摂取の妊婦では出生時の低体重、流産や死産のリスクが高まる可能性があるとして、それらのリスクを低減するため、1日300 mg 以上の高カフェイン摂取の妊婦に対し、妊娠中はカフェインの摂取量を減らすように注意喚起しています。
引用:農林水産省HP|カフェインの過剰摂取について
こちらは妊娠中の方に向けた情報となりますが、1日300mg以上のカフェインを継続的に摂取すると流産・死産の危険性が高まるという研究結果が報告されています。
そのため、日頃コーヒー等を飲む方は妊娠が判明した時点からカフェインの量を減らしていってください。
現在、先進国においては「妊娠中に飲んで良いコーヒーの量はマグカップ2杯相当まで」とするところが多く、日本でも300mg(カフェイン)/1日がひとつの目安となっています。
ちなみにマグカップ2杯相当だと少々イメージが湧きづらいと思いますので、以下では缶コーヒーに含まれるカフェインの量をまとめてみました。
缶コーヒーの種類 | カフェインの量 | 1缶あたりの容量 |
---|---|---|
ワンダモーニングショットブラック(アサヒ飲料) | ・合計92.5mg ・50mg/コーヒー100gあたり) | 185g |
キリンファイアブラック(KIRIN) | ・合計90.65mg ・49mg/コーヒー100gあたり | 185g |
ボス無糖ブラック(SUNTORY) | ・合計74mg ・40mg/コーヒー100gあたり | 185g |
こちらを参考にすると、小さい缶のブラックコーヒーでだいたい3本までが限界と言えそうです。
とはいえ、妊娠中はできる限りカフェインの摂取量を抑えた方が良いので、我慢できるならコーヒー自体を飲まないようにしましょう。
妊活中はいつからカフェインを控えるべき?
現在のところ、いつからカフェインを控えるべきかという問いに対して明確な答えは出ていません。
ただし、カフェインを摂取することで妊娠までの期間が伸びる可能性がある以上、できるだけ早い時期からコーヒー等の摂取を控えた方が良いと考えられます。(少量であれば問題ないといった意見もある)
海外では、コーヒーがよく飲まれていることもあり、さまざまなデータがあります。コーヒーを飲む量が1日3~5杯を超えると妊娠率が下がった、妊娠するまでの期間が長くなった、という報告は多いですね。一方、体外受精ではカフェイン摂取による妊娠率、出産率などに差はなかったとの報告もあり、極端にたくさん飲むのでなければ、妊活中のカフェイン摂取はそう問題ないと思います
引用:ムーニーHP|妊活中にカフェインを摂取してもいいの?
また、パートナーである男性側に関しても妊活中に過度なカフェインの摂取は避けた方が良いと言えるでしょう。(後述あり)
カフェインを摂り過ぎると着床率が低下する?妊活中はコーヒー牛乳もNG?
ここからはカフェインと着床率(妊娠のしやすさ)の関係について解説していきます。
少しでも妊娠の可能性を上げたい方は、こちらの内容を参考にしてみてください。
カフェインが妊活中の身体に与える影響
カフェインが副腎を刺激すると、アドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。
身体がストレスホルモン過多の状態になることは、子宮や卵子に対しても良い影響を与えません。
また、カフェインによる刺激で副腎が疲労すると妊活に必要な女性ホルモンのバランスが崩れてしまいます。
以下の動画ではカフェインの摂取と副腎の働きの関係性を分かりやすく解説していますので、よろしければご覧ください。
- カフェインを摂ると副腎が刺激されコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌される
- コルチゾールには肝臓での糖の新生、抗炎症・免疫抑制などの役割がある
- カフェインは一時的にコルチゾールを増やすが、副腎疲労により身体自体の疲労感も増してしまう
副腎疲労が起きると本来生成されるはずの「DHEA(通称:若返りホルモン)」が減ってしまいます。
DHEAが不足すると「卵子の質が低下する」と考えられていますので、妊活的には悪影響と言えるのです。
また、ブラック以外の缶コーヒーには糖分が多く含まれているため、肥満を予防する観点からも控えましょう。
カフェインと着床率の関係性
いまのところ「カフェインを摂ることで着床率が下がる」という明確な研究結果は報告されていません。
カフェインの摂取量と妊娠のしやすさについては諸説あり、着床率が下がるという意見と着床率は変わらないという意見の概ね2つに分かれます。
しかし、カフェインを過剰に摂取している女性の場合「自然妊娠までの期間が伸びる(=妊娠しづらくなる)」といった過去の研究報告がありますので、どちらにしてもコーヒー等を我慢できるなら摂取しない方が良いと言えるでしょう。
妊活中はコーヒー牛乳も控えた方が良い
「ブラックコーヒーのようにカフェインが濃い飲み物はダメということが分かった」「でもコーヒー牛乳くらいであれば大丈夫なのでは?」と考える方もいます。
たしかに市販されている一般的なコーヒー牛乳に含まれるカフェイン量は、ブラックコーヒーよりも少なめです。(容量が同量の場合)
しかし、カフェインが入っていることには変わりがありません。また、コーヒー牛乳にはカフェインだけでなく糖分も多く含まれています。
「カフェイン+甘いもの」の組み合わせは妊活中の身体に良くないため、できるだけコーヒー牛乳も控えてください。
- カフェインが副腎を刺激することでアドレナリンやコルチゾールが出る(副腎疲労)
- カフェインと甘いものの組み合わせは血糖値が上がりやすい(血糖値の乱高下)
- 副腎疲労・血糖値の乱高下によって卵子の質が低下する
上の動画では妊活中に控えるべき食べ物・飲み物をご紹介しています。
最後にご紹介しているのが「カフェイン+甘いもの」の組み合わせとなりますが、頻繁に血糖値が乱高下すると「卵子の膜が硬くなる」「細胞が崩れやすくなる」などのマイナス要素に繋がってしまうのです。
さらに副腎疲労を増長する可能性も高く、妊娠に必要な女性ホルモンの分泌も阻害されてしまいます。
男性のカフェイン摂取と不妊について
妊活中に男性側がカフェインを摂取し続けると不妊の原因になるといった研究結果は出ていません。
ただし、カフェインが精子に与える影響に関しては様々な報告があがっています。
- カフェインを飲むと精子の運動率が上がるという研究データがある
- しかし、カフェインを摂っていた人の方が「受精率」は低かった
- 1日あたり265mg以上のカフェインを摂ると顕微授精での妊娠率が低下するといった別報告もある
こうした研究報告やデータもありますので、妊活中は男性側もカフェインの摂取量に注意してみましょう。
カフェインは着床の妨げになる可能性がある|コーヒーの代わりでおすすめは?
カフェインによって着床が妨げられる可能性はゼロではありません。
そのため、妊活中はカフェインを多く含むコーヒーやエナジードリンクの摂取を控えた方が良いと言えます。
しかし、そうなると「ちょっとした休憩中に何を飲めば良いの?」「コーヒーを我慢することでストレスが溜まってしまいそう…」といった疑問やお悩みが出てきます。
そんな方に向けて、ここではコーヒーの代わりとなるおすすめの飲み物をいくつかピックアップしました。
カフェインレスコーヒーやデカフェ
市販されているコーヒーの中には、通常のコーヒーよりカフェイン含有量が少ない「カフェインレスコーヒー」「デカフェ」といったものもあります。
こうしたカフェイン含有量が少ない飲料から飲み始めてみて、段々とカフェインへの依存度を下げていくというのも妊活においては大切なことです。
どうしてもコーヒーを飲みたいという方は、ぜひカフェインレスコーヒーやデカフェを試してみてください。
麦茶
麦茶は「麦」を原料とするお茶なので、カフェインがいっさい入っていません。
ちなみに緑茶・紅茶・ウーロン茶は茶葉から抽出するお茶です。
そのため、すべてにカフェインが含まれています。
一般的な緑茶とは違い「茶葉の新芽」を多く使う玉露はカフェイン含有量が高いお茶として知られています。(カフェイン含有量がコーヒーの2倍以上)
ちょっとした休憩中にノンカフェインのお茶を飲みたいのであれば麦茶を選びましょう。
ルイボスティー
ここ10年ほどで知名度を上げているルイボスティーは「妊活にぴったりのお茶」としても有名です。
- カフェインがいっさい入っていない
- 亜鉛や鉄分、ポリフェノールといった成分が入っている
- 肌質改善や糖尿病予防に効果的とされている
ルイボスティーは鉄分を含むお茶なので貧血予防効果が期待できます。
また、ポリフェノールは腸内環境を整えてくれるため、まさに妊活向けのお茶と言えるのです。
補足:妊活中なのにコーヒーをやめられない方へ
「妊活中だけど、どうしてもコーヒーをやめられない」という方は、ぜひ以下の動画をご覧になってみてください。
- 日頃からカフェインを摂り過ぎていると副腎の緊張状態がクセになってしまう
- カフェインを減らすことで抹消の血流が良くなる
- 子宮や精巣といった妊娠に重要な器官の血流も改善される
カフェインを摂るとアドレナリンが分泌されやすくなりますが、アドレナリンが過剰に分泌されると副腎だけでなく身体の色々な箇所が緊張状態になってしまいます。
本来、アドレナリンはストレスと戦うためのホルモンです。
カフェインによって無理やりアドレナリンを分泌させること(身体がシャキッとなったような感覚)を習慣化するのは、子宮や卵巣にとっても良いことではありません。
できるだけ早く妊娠したいのであれば、少しの間コーヒーをやめてみましょう。
体質にもよりますが、それだけで妊娠の可能性が上がるかもしれません。
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妊活に関する相談はファンクショナルマッサージ治療室まで
今回は「カフェインと着床率の関係性」をテーマに様々な情報をご紹介してきました。
- 妊活中からカフェインの摂取量を抑えた方が良い
- カフェインを摂り過ぎると卵子の質が低下する
- 妊娠中はカフェインの摂取を控えるべき
カフェインには色々な作用があり、過剰に摂取するとホルモンを分泌する副腎に疲労が溜まってしまいます。
その過程と結果により「卵子の質が低下する」「着床率が下がる可能性がある」といった大きなデメリットに繋がるため、妊娠を計画している方はカフェインの摂取を控えるようにしましょう。